第1.2節の例で述べたように, 測定値がディジタル表示になっていて, 測定値の読みがばらついて いるときには, 測定値のばらついている範囲から, 誤差を 有効数字が1桁になるように見積るとよい。
測定値の精度を上げるために, 複数回の測定を繰り返したあとで 統計処理をおこなうことで誤差を見積る場合もある。 また, 何らかの方法で系統誤差を推定して, 誤差の標記に系統誤差を含める場合もある。 このような場合には, (2)の例に見られるように, 誤差の有効数字を2桁取る場合がある。
一般に, 誤差は 不確かさの目安であるから, 正確な値がわかるということ はありそうもない。 だから, 誤差の有効数字は1桁か2桁あれば十分で, それより多く取ることにはほとんど意味はない。 また, 第1.2節でも述べたように, 学生実験のレベルでは, たいていの場合は誤差の有効数字は1桁あれば十分である。