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誤差とは何か

誤差とは何かを考えるために, 例として, ものさしでA4のノートの横幅を測る場合について考えてみよう。 ふつうのものさしには1mmまでの目盛りがついている。 目盛りの10分の1まで読むことにすると, ノートの横幅はだいたい 21.06cmくらいと読めるだろう。 では, この21.06cmという数値は 厳密に正しいだろうか?

そうではないと考えられる根拠がいくつかある。 たいていノートの端はすこしささくれているから, どこをノートの端とみなすべきかは不明瞭である。 目盛りの10分の1は目分量で 読むことになるから, 光線の具合などによって 見え方が変化しそうである。 さらに, ものさしの長さは気温によって 変わるから, ものさしの目盛りも完全に信用できるわけではない。

結果として, われわれはノートの横幅の 真の値を知ることはできないのである i)。 すなわち, 測定によって得られた値には, ある程度の(大きさを見積ることのできる) 不確かさが含まれている。 このような不確かさを誤差と呼ぶ。

われわれがなにかを測るときには, 上の例と同様 の理由によって, 測って得られた値(測定値)には必ず ある程度の誤差が含まれると考えなければならない。

一般に, 測定値等に含まれる誤差の大きさを明示するときには, 測定値を

$\displaystyle x_{best} \pm \delta x$ (1)

のように標記する ii)。 ここに, $ x_{best}$は測定すべき量の最良推定値(最も良いと思われる 推定値)であり, $ \delta x$は見込まれる誤差の大きさの絶対値である。 これ以外に, 測定値に続いて括弧内に誤差の大きさに対応する数字を書き込む流儀もある。

誤差の標記の具体例を見てみよう。素電荷$ e$は, 先に説明した誤差の記法のうち前者を用いれば,

$\displaystyle e=(1.602176462 \pm 0.000000063)\times 10^{-19}$    [C] (2)

のように標記される。一方で, 後者の記法を用いれば,

$\displaystyle e=1.602176462(63)\times 10^{-19}$    [C] (3)

のように標記される。


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Shigeru HANBA
平成16年8月16日