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誤差が明示されていない測定値の取り扱い

ところで, 測定値等に含まれるはずの誤差が明示されていない場合もある。 このような場合には, 数の標記から位取りをあらわすための0を 取り除いた数字の部分が有効数字であると解釈する。 また, 有効数字の最小桁が$ 10^{l}$に対応しているとき, 数値には $ \pm 1 \times 10^{l}$の誤差が含まれているものと解釈する v)

だから, たとえば, 誤差を含むであろう数値が

$\displaystyle x=0.012$ (10)

というように標記されていたときには, これを,

$\displaystyle 0.011 < x < 0.013$ (11)

あるいは

$\displaystyle x=(1.2 \pm 0.1) \times 10^{-2}$ (12)

という意味に解釈するのである vi)

誤差を含むであろう数値を0.012と標記したものと0.01201と標記したものは 有効数字および誤差という観点において意味がまったく異なるので注意を要する。



Shigeru HANBA
平成16年8月16日