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平均, 分散

確率密度関数$ p(x)$を持つ確率変数$ x$が 与えられているものとする。 このとき, 確率変数$ x$の平均値は,

$\displaystyle m=\int_{-\infty}^{\infty}x p(x) dx$ (27)

によって定義される。 また, 確率変数$ x$の分散$ \sigma$は,

$\displaystyle \sigma^2=\int_{-\infty}^{\infty}(x-m)^2 p(x) dx$ (28)

によって定義される。 定義からわかるように, 平均とは 確率変数$ x$がどのあたりを中心にしてばらついているかを あらわす指標であり, 分散は確率変数$ x$が平均のまわりに どのくらい散らばっているかをあらわす指標である。 図5に, 平均が零で分散が異なる2種類の 確率分布に対応する確率密度関数を示す。 実線が分散が 小さい確率分布の確率密度関数であり, 点線が分散が大きい確率分布の確率密度関数である。 分散が小さい確率分布ほど確率変数が平均値に近い値を取る 可能性が高くなるようすが図から見て取れる。
図 5: 平均が同一で分散が異なる確率密度関数
\resizebox{.45\textwidth}{!}{\includegraphics{nd.eps}}
なお, 図5に示した確率密度関数は両方とも 正規分布に対応するものである。 正規分布の確率密度関数は, 図5に示したように釣鐘型である。

さいごに, 確率密度関数(25)を持つ正規分布では 平均と分散はそれぞれ$ m$$ \sigma^2$になることを注意しておく。


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Shigeru HANBA
平成16年8月16日