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PostScriptファイルを加工する

TgifそのものにはPostScriptファイルを直接加工する 機能はありません. しかし, UNIXシステム上に用意されている pstoedit というツールと組み合わせることで, PostScriptファイルの編集が可能になります.

pstoeditはPostScriptファイルやPDFファイルを tgifその他の各種フォーマットに変換するためのツールなのですが, ここではファイルをTgif形式に変換する方法について説明します.

ファイルをTgif形式に変換するには,

pstoedit -f tgif 変換前のファイル > 変換後のファイル \fbox{\small\sc{Enter}}
とします. たとえば, test.ps というファイルを edit.obj というファイルに変換したいときには,
pstoedit -f tgif test.ps > edit.obj \fbox{\small\sc{Enter}}
とします. ただし, このコマンドは, 変換前のPostScriptファイルの内容次第では うまく動かないことがあります.

ところで, 変換前のファイルがただのPostScriptファイルの場合には 上記の通りの操作でうまくいくのですが, 変換前のファイルがEPSファイル だった場合には, 描画範囲などに若干問題が生じることがあります.

9.1のような, EPSファイルが手元にあるとしましょう. このファイルの ファイル名を test2.eps とします.

図 9.1: 変換前のEPSファイル
\includegraphics[width=.6\textwidth]{eps/tgif-pstoedit-test.eps}

このファイルを

pstoedit -f tgif test2.eps > edit2.obj \fbox{\small\sc{Enter}}
というコマンドによってTgifのオブジェクト形式に変換し, Tgifを起動してこのファイルを開くと, 画面は 図9.2のような状態になります.
図 9.2: 変換後のオブジェクトファイル
\includegraphics[width=.6\textwidth]{eps/tgif-pstoedit-edit.eps}
9.2を見てわかるように, という問題があることがわかります.

これを訂正するには, まず

\fbox{\small\sc{Ctrl}}+ \fbox{\small\sc{a}}
と入力してすべてのオブジェクトが選択された状態にし, 続いて上向きカーソルキー( \fbox{$\uparrow$}キー)や 左向きカーソルキー( \fbox{$\leftarrow$}キー)などを適当な 回数押して, グラフを適切な箇所まで移動させます(図9.3).
図 9.3: グラフ全体の移動
\includegraphics[width=.6\textwidth]{eps/tgif-pstoedit-edit2.eps}
続いて
\fbox{\small\sc{Alt}}+ \fbox{\small\sc{z}}
と入力して, 図を拡大表示します. すると, 画面は 図9.4のような状態になります.
図 9.4: 拡大表示
\includegraphics[width=.6\textwidth]{eps/tgif-pstoedit-edit3.eps}
これ以降はふつうに編集作業をおこなうことができます.

学生実験などで図を作成する場合, gnuplotとTgifを両方使って作図する必要が生じることがあります. gnuplotにはTgifのオブジェクト形式のファイルを直接生成する 機能があるのですが, この機能には, 日本語を含むグラフを適切に処理できない という問題があります. gnuplotが生成するファイルの形式をEPSあるいはPostScript 形式にしておき, 生成されたEPSファイルやPostScriptファイルをコマンド pstoedit で変換した場合には, 上記のような問題は生じません.


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Shigeru HANBA
平成16年1月30日