next up previous
Next: 実験 Up: 原理 Previous: FIRフィルタ

FIRフィルタの周波数応答

フィルタの入力$ x(t)$が周波数$ f$[Hz]の正弦波である場合を考える。

$\displaystyle x_{k}=e^{j 2 \pi f kT}$ (2)

とする。 式(2)を式(1)に代入すると,

$\displaystyle y_{k}=\bigl ( h_{0}+h_{1}e^{-j 2 \pi f T}+ \cdots+ h_{n}e^{-j 2 \pi f n T} \bigr ) e^{j 2 \pi f kT}$ (3)

が得られる。

$\displaystyle G(f)=h_{0}+h_{1}e^{-j 2 \pi f T}+\cdots+ h_{n}e^{-j 2 \pi f n T}$ (4)

と定義する。 式(3)から, フィルタの出力信号$ y_{k}$は, 入力信号$ x_{k}$に複素数$ G(f)$を乗じた値となることがわかる。 よって, このフィルタの周波数応答は式(3)によって与えられる。

以下では, フィルタの周波数応答の絶対値をゲインと呼ぶ。

FIRフィルタのタップ係数$ h_{i}$を適当に設定することで, 低域通過フィルタ, 高域通過フィルタ, 帯域通過フィルタあるいは帯域阻止フィルタなどといった いろいろなフィルタを設計することができる。 ただし, 有限次元の因果的なフィルタでは, 通過域の信号を完全に歪みなく透過させ 阻止域の信号は完全に遮断する理想的な特性を持つフィルタ は実現できないことが知られている。また, フィルタの性能を理想的なものに近付ければ近付けるほど, 高性能なハードウェアが必要になり, 必然的にコストも増大する。 このため, 実際にフィルタを設計する際には, 性能とコストとのトレードオフなどのさまざまな要素を考慮しなければならない。


next up previous
Next: 実験 Up: 原理 Previous: FIRフィルタ
Shigeru HANBA
平成15年11月16日